Posted on 日曜日 1 5月 2011
歯が痛いのに原因が歯ではないという種類の痛みについて。
どんなに歯をいじられても治らないので深みに嵌ることがあります。ただ鑑別診断が難しいです。
痛みを訴える患者さんも前回のお話でもあったように「うまく症状を伝えられない」のです。
具体的にはどんな種類の痛みがあるのか?以下引用です。
非歯原生歯痛の分類(http://www.dental-diamond.co.jp/data/dd2005.pdf)
1.筋・筋膜由来(筋筋膜痛)
2.神経血管由来(群発頭痛)
3.心臓由来
4.神経原性
①発作性神経痛:三叉神経痛・舌咽神経痛
②持続性神経痛:帯状疱疹、帯状疱疹後神経痛、
非定型歯痛
5.上顎洞・鼻粘膜由来:上顎洞炎
6.心因性
・身体表現性障害〔疼痛性障害(非定型歯痛?)〕
かなり専門用語です。
まずよくあるのが 5.上顎洞・鼻粘膜由来:上顎洞炎 でいわゆる鼻炎とか蓄膿とかの痛みと混同するタイプのものです。風邪引きの時などによくみられます。
また6.心因性 は「気にしすぎ!」と言われる場合で「でも痛いんですけど!」という時は要注意です。わからない種類の痛みは心因性に放り込まれることが多いです。
今では原因不明のいたみとして特発性(原因不明の)歯痛 に属するものの「抗うつ薬」の処方で解決するようです。
さてはじめに戻って1.筋・筋膜由来(筋筋膜痛)から
これは「慢性のひどい筋肉のコリ」だそうです。顔の周囲の筋肉を押さえて同時に歯が痛むような場合はその典型例です。「コリ」ですからほぐしてやらないといけません。
歯のくいしばりや肩こりからくるもので非常によくみられますが筋肉のある部分を押さえることで歯の痛みが誘発されるかどうかを確認しておかないといけません。
まちがってもマウスピースをもらって余計に痛くなったということがないように注意です。
2.神経血管由来(群発頭痛)
正直、経験がありませんが(過去の診断が間違ってなければですが・・)あまりの激痛が発作的に起きるので原因究明のため歯科を受診された方の半分近くがいずれかの歯を抜歯するに至っているという報告もあるようです。
自律神経の症状である、涙や鼻水が出るだとか・・・神経血管性頭痛からの歯イタなのです。頭痛なので詳しくはhttp://zutsu.jp/zutsu/mig03.htmlにて。
3.心臓由来
虚血性心疾患:http://www.gik.gr.jp/~skj/ihd/ihd.php3のサイトから
心臓の筋肉への血液の供給が減ることや途絶えることを虚血といいます。狭心症と心筋梗塞の2つをまとめて虚血性心疾患と呼んでいます。
歯の痛みを伴うというのは良く言われることですが発作性に起き、持続時間が数分~数十分以内ということです。前の神経血管性頭痛では同じ発作でも1時間くらい続くことから鑑別が可能です。
また狭心症が原因の場合は運動との関連性をインタビューから読み取らなればいけません。
まるまる引用のわりには疲れたので最後の4.神経原性 は次回にまわしておきます。
ではおやすみなさい。