Posted on 金曜日 6 5月 2011
まずは前回の表から
非歯原生歯痛の分類(http://www.dental-diamond.co.jp/data/dd2005.pdf)
1.筋・筋膜由来(筋筋膜痛)→噛みしめや歯軋りなどで誘発されることが多いがマウスピースですべて解決ではないので注意。
2.神経血管由来(群発頭痛)→歯痛ですが本体は頭痛からくるもの。非常に激しい痛み。
3.心臓由来→狭心症や心筋梗塞の一症状。発作的に数十分の痛みと運動との関連性がポイント。
4.神経原性
①発作性神経痛:三叉神経痛・舌咽神経痛
②持続性神経痛:帯状疱疹、帯状疱疹後神経痛、
非定型歯痛
5.上顎洞・鼻粘膜由来:上顎洞炎→鼻炎や蓄膿の症状の有無。
6.心因性
・身体表現性障害〔疼痛性障害(非定型歯痛?)→特発性(原因不明の)歯痛。抗うつ薬が奏功する。
今日は残りの4.神経原性のものについてです。
①発作性神経痛:三叉神経痛・舌咽神経痛
痛みの出るのは小鼻の横あたり、歯でいえば糸切り歯(犬歯)、さらには下の歯であれば小臼歯と呼ばれる奥から数えて3,4番目の歯。
瞬間的に激痛が走り、触診で痛む箇所の周囲を皮膚表面から触れると発作が誘発されます。
歯ではなく神経系統の問題で原因は神経の圧迫によると言われています。
②持続性神経痛:帯状疱疹、帯状疱疹後神経痛、非定型歯痛
まずは帯状疱疹とはhttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B8%AF%E7%8A%B6%E7%96%B1%E7%96%B9
症状は・・・・・知覚神経の走行に一致して帯状に赤い発疹と小水疱が出現し、強い神経痛様疼痛を伴う。
この知覚神経が顎や顔面領域の三叉神経の場合、歯の痛みを伴い鑑別が難しくなる。発疹の前に痛みだけが出現するので歯の痛みと混同しやすい。
まとめ
大事なのは歯が原因ではない痛みの存在を意識しながら診断することでしかありません。日本の歯学部は医学部に属していないので全身のことはよくわからないというのが本音でしょう。
僕もどう考えても痛みの原因がわからないなあという場面にはよく出くわします。
結果的にやっぱり歯が原因だったということが後になってわかることもありますが不可逆的な処置をしてしまってやっぱり違ってましたというのが恐ろしいわけで・・・・・・。
わからない時はすんなり他科に依頼することが肝要かと思います。
それぞれの痛みの特徴を患者さんから聞き取るというのは外国との痛みの表現方法の違いでも触れましたが、発信者、受信者ともに訓練が必要だと思います。
それほどに「痛み」をこらえることを美徳とする文化が表現方法に規制をかけてるように思います。
しくしく痛む、じくじく疼く、キンキン痛む・・・・・・案外、国内でもコトバの壁は大きいです。